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「アバター」の感想。

山田悠介さんの小説作品、「アバター」を読んだ感想です。

 

あらすじ

イジメとはいかなくともイジられっぱなしの主人公、「阿武隈川道子」は、イジメ(イジる)の主犯格「阿波野妙子」に(ガラケーの)SNSサイト「アバQ」に、半ば強制的に登録させられる。

そこで道子の「将来の夢」や、妙子のクラス中から崇められる「要因」が絡まり、主人公がめざましく変貌する。

最終的には……。

 

感想

久々に小説という小説を読んだかもしれません。

ジャンルを言うならサイコホラーだと思います。

 

読み終えて、最初に出る言葉が「ええ」という言葉、その次に出るのは「有り得なくはない」。

本当の本当の本当に、この作品を極端に言うとネトゲ依存のガチャ依存です。

アバターという作品名の通り、ゲームのアバターが作品の要なのですが、これは有名所ゲームサイトのアバターをモチーフにしていると思います。

主人公はアバターに自身を重ね、あれよあれよと行動を繰り返していくのですが…。

 

現在のネトゲやソシャゲ依存のしやすい環境だと、ここまでいかなくとも、同じようなことはしているひとは居そうだと思いました。

有り得なくはない。

しかし、しかし。

これの更に恐ろしいところが、書籍だと2009年出版というところです。

作中の携帯電は全てガラケー

そして今の時代はスマホにパソコン……。

比較しても、ああ、ソシャゲではやっていることはいつまでも変わらないのだなと改めて感じられました。

最近のソシャゲでも、「無料で石を手に入れる!」なんてのに有料案件も出てたりしますからね。

親に内緒でキャリア決済なんてこともした人も多いでしょうから。

もしかしたらこの主人公が取ったような行動を取る人も。…もしかしたら…?

 

 

主人公の心情描写は生々しく、ソシャゲにハマっていた人からすると凄く気持ちは分かるのですが、歯止めがきかなすぎていて、恐ろしく思いました。

 

ただ、主人公の取る行動や、思考などを全体的に見ると「恐ろしすぎる」。

ただただ、転落していくのを眺める本となりました。

イジメの描写などもぼかすこともなく書かれていたので、結構心理的に来るものがありました。

 

気になる人や、小説で主人公が転落していく様を眺めるのが好き、という方はいいと思いますが、普通に「本を読みたい」と思う方にはオススメできない本でした。

 

……心理的に来るものがあるので。

 

それでは。